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・気孔の半径は1mmの37000分の1
竹炭は竹を炭にしたもので、無数の気孔を持っています。
この気孔の表面積は木炭の2~3倍以上で、
1gあたり700㎡(約25mプールが2枚分)。

気孔の半径は27ナノメーター(0.000027mm)で、カシ炭ややし殻炭の気孔と比べると1/5の大きさ。
木炭以上のミネラルを含み(2%~5%)、水によく溶け出す性質があります。

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竹炭の物理特性
PH | 9.9 |
---|---|
揮発分(WT%) | 9.15 |
灰分(WT%) | 5.90 |
容積量(g/ml) | 0.60 |
ヨウ素吸着量(mg/g) | 301 |
竹炭の使い方
お部屋の空気清浄
竹炭の微細な気孔が、湿気やイヤな臭い、さらにホルムアルデヒドなどの空気中の化学物質を吸収します。
<ホルムアルデヒドの除去の実験>
約12畳の部屋に竹炭約1kgを5分間放置
ホルムアルデヒド濃度0.161ppm---→0.039ppm(ガイドライン0.08ppm)

冷蔵庫の鮮度保持剤として
野菜や果物が発生するエチレンガスを吸収するので、腐敗や変質を抑えることが出来ます。
また、魚の鮮度を持続させる効果も認められています。
特にお刺身を保存しておく時にはお勧めします。
床下の除湿調湿
じめじめした時期の湿気は住まいの大敵です。腐食、カビ、害虫の発生、臭いの原因となる湿気を竹炭が強力に吸収します。しかも、乾燥期には吸収した湿気を放出するので、調湿効果があります。また、ホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着する効果にも優れています。
竹炭でミネラルウォーターをつくる
手軽に水道水を美味しくします。
カルキ臭や不純物を竹炭が吸着するのと同時に、豊富なミネラルを放出し、美味しいお水を作ります。水1Lに対して、竹炭5~6片(約50g)が目安。
<塩素吸収実験>
水道水に竹炭を約1時間つけると
・塩素(カルキ)濃度0.4mgC1/1---→0.1mgC1/1以下測定不能まで減少
/和歌山工業技術センター測定
ご飯をふっくら美味しく炊きあげ、長持ちさせる
炊飯時に竹炭を入れると、ミネラルが溶出し、カルキ臭を取ってくれます。
また、炊飯器の中は長い間100℃以上になるので、遠赤外線が放射され、ご飯がふっくらと炊きあがります。炊いたあとも、炊飯器の中に入れておくと、ご飯が黄色くなるのを抑えます。
農業・園芸の土壌改良材
砕いた竹炭を土に混ぜると、保水力、透水性が向上し、
植物の根を丈夫にします。
竹炭の寿命と再利用
- 竹炭の吸着した不純物は、洗えば少しは取れますが、油脂など炭の微細な気孔から取れないものもあります。
- 床下の調湿に使う場合
竹炭は、水分だけなら湿度の高いときに吸収し、乾燥時に放出するので、半永久的に使えます。ただし、タバコの煙や油分があると、気孔をふさいでしまうため、効果は若干落ちてきます。 - お部屋用に使う場合
吸着効果は半永久的にありますが、タバコの煙や油分などを吸着するとだんだんと効果が落ちてきます。ちょうど、壁紙が黒ずんでくるように、竹炭の気孔に油脂がくっついて気孔をふさいでしまうためです。お部屋の環境にも寄りますが、4~5年が目安です。 - 竹炭をご飯やお水に使う場合
ご飯やお水に使う場合は、竹炭からミネラルが溶出します。ミネラルの溶出は始めが多く、徐々に減っていき、約10回ほどで溶出がなくなります。
カルキの吸着効果は、時々、天日干しすることで、長期間持続しますので、約1ヶ月ほどが目安です。 - 使い終わった炭は、砕いて園芸等に使えます。

竹炭と備長炭との違い
竹炭は燃料としては全くダメ!?
備長炭は燃やすと長い間、強い火力で燃え続け、バーベキュー等に使うとたいへん美味しいですよね。
その点、竹炭は燃やすとすぐに灰になってしまいます。
これは、竹炭の気孔が多いためで(つまり中がスカスカになっているので)、燃料としては使い物になりません。
ただし、この気孔の多さを利用した用途で使う場合は、威力を発揮します。
竹炭が軽くても、備長炭以上の効果を持つのはこのためです。
竹炭は備長炭と比べ安いのはなぜ?
備長炭の原料であるウバメガシは生長の遅い樹種なので、原材料を確保するためのコストが高くなってしまいます。
竹は非常に生長が早く、また、いい竹の子を作るためには毎年おとなになった竹を切らないといけないので、原材料の確保が容易に確保できます。
竹炭を入れて、ご飯やお水が黒くなりませんか?
竹炭をはじめて使うとき、水で洗ってください。
表面に付着している炭の粉を洗い流せば、黒くなることはありません。
このとき、洗剤は絶対に使わないでください。
洗剤を使用した場合、竹炭が洗剤を吸着してしまうので、ご飯やお水の浄化の用途には使用しないでください。